アンテナアナライザー VA1使用記

アンテナアナライザーVA1 Vector R-X Analyst (0.5 - 32 MHz)はアメリカのAUTEK RESEARCH 社の製品です。同社では、このほかにRF1 Antenna Analyst (1.2 - 35 MHz)RF5 VHF Analyst (35-75 and 138-500 MHz)WM1 Deluxe Computing Wattmeter を販売しています。
この価格帯のアンテナアナライザーは内外各社から販売されていますが、アマチュア無線用途ということもあり、使用下限周波数が1.8MHzのものがほとんどです。その中でVA1は0.5MHzから使用可能でまさに中波DX用機器の測定にピッタリです。

私が同社のHPでVA1を見たのは2002年3月でした。国内外問わずインプレがWeb上で公開されている数がほんのわずかで、私にとっては海のものとも山のものとも判断困難な品物でした。しかし他に代わりになりそうな測定器の入手ができそうにもないので、2003年1月末、直接同社にメールで発注しました。日本における同社の代理店はJACOMなのですが、この1年間に2度問い合わせのメールを出したにも関わらず無視されましたので直接購入することにしました。日本からの注文はMasterCardやVISAで決済することが可能で、私もカードで申し込みました。

1月29日に発注のメールを出し、翌1月30日に返信のメールがありました。それによれば、商品の発送は2月8日予定で、到着までには1〜3週間掛かるとのことでした。そして2月20日郵便局からの配達で商品が届きました。消費税・地方消費税で600円、通関料200円の合計800円をその場で郵便局員に支払いました。届いたパッケージは170×80×100ほどのホントに小さなもので、中にはVA1本体の他、英文取扱説明書、アクセサリーキットが入っていました。乾電池は入っていませんのでユーザーにて調達しなければなりません。
以下、取扱説明書にそってご紹介します。






通常の9ボルト乾電池を用意します。VA1の背面に電池ボックスがあります。電池蓋は親指の腹でスライドさせてあけます。乾電池を収納する時にリード線を挟み込まないように注意します。
さてこれでやっと起動できます。最初にON/OFFスイッチを軽く押します。次の瞬間表示してすぐに変わる数字はプログラムのバージョンです。私の場合、0900と表示されました。消費電流は30MHzで、約50mAから80mA程度ですが、乾電池節約のためにオート・オフの機能があります。20分間操作されないと自動的にシャットオフされるというものです。


   この機能をさせたくない時は、一旦電源を切ります。そして、FREQスイッチを下に押し下げたままON/OFFスイッチを押します。そして FREQスイッチから指を離します。今度はプロクラムのバージョンが表示されません。これでオートオフ機能が解除されました。
9V〜12Vで200〜500mAのACアダプタは使えるそうです。マニュアルには、ラジオシャックの#273-1552Aや#273-1662がそれにあたると書かれています。しかし乾電池用のスナップ端子になっていなければ自分で加工する必要がありますので、屋外で使うことも考えれば、繰り返し充電式の電池にしておけばよいかとも思います。

測定モード
電源ON後、本機はFREQモードで立ち上がります。TUNEつまみを回すと周波数が変化します。FINEつまみも同様に周波数が変化しますが、ゆっくりとした動きになっています。
BANDボタンは一度押すごとに次のバンドに移行します。このボタンを押し続けると、その間はバンドが次から次へと変化するようになっています。
次にFUNCTIONボタンですが、1はSWR、Rs、Xsを、2はZ、L、Cと言うように縦列の選択を表わします。電源ON時は常にFUNCTION1で立ち上がるようになっています。このFUNCTIONボタンを押すごとに、表示がF1→F2→F3→F4→F1と変化しますので、希望の位置までもって行きます。 そして次に横列の選択ボタンを押せば希望する測定モードに入ることができます。

表示内容
どの測定モードでも、今どのモードに入っているのかを各シンボルで表示します。例えば、SWRなら表示部の左上に小さな四角を表示します。またCモードでは左下に小さなCを表示します。時としてこのシンボルは測定値の表示桁が多いと数値の上に表示されることもあります。また数値がマイナスの時はマイナス記号が画面左上に表示されますが、プラスの時は(+)とは出ません、念のため。
測定値が大き過ぎる時には大文字の"H"が右側に表示されます。これはZが1000オームを超えた時によく出ます。
SWRモードにしてから、FREQボタンとSWRの横列選択ボタンを同時に押し込んで、同時に離すと表示は周波数とSWRを交互に表わします。これは他のボタンでも同じようにできますし、同時操作するボタンを増やせばその分だけ多く表示を変えることもできます。

SWRモード
このモードは50ΩでのSWRを表示します。それで50Ωの抵抗はSWR1.00と読み取られます。「H」はSWRが約20:1を超えると表示されます。このモードではアンテナの共振周波数を見つけることができます。簡単に測定するには、トランシーバーに接続される同軸ケーブルをVA1に接続し、VA1をSWRモードに合わせ、SWR最低の周波数を見つければよいわけです。

50Ω以外への応用
例えば73Ωとか、他の50Ω以外のインピーダンスに使う時には、SWRモードでそのインピーダンスの検索をします。その方法は、SWRボタンを押したまま約1秒後に離します。この時は「L50」と表示されていて、50Ωを選択していることがわかります。そこでSWRボタンを73Ωを指す「L73」あるいは他の希望するインピーダンスが表示されるまで一回ずつ押してゆきばよいのです。希望するインピーダンスが表示されたら、そこで固定するために、どこか、例えばFREQボタンでも押せばセット完了します。もしその後でインピーダンスの設定を確認したければ、SWRボタンを1秒押してから離すことで表示されます。その後どこかのボタンを押しておけば、最後に見たインピーダンスで使うことができます。
VA1は電源投入時には常に50Ωで立ち上がるようになっています。ですから、もし50Ω以外で使用する時には毎回電源投入後にこの設定変更をする必要があります。このインピーダンス設定はRs ANT、Xs ANT の計測にも関係してきます、ですが、他のRsとかXsモードには影響しません。インピーダンスの設定値は、初期値50から次のループで変更できます。50→52→54→73→75→93→95→112→150→300→450→25→50(初期値に戻る)

あとは、モードの選択だけですので、実際の使用例をご紹介します。

 

 

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